本記事では、MegaRAID Configuration Utilityを用いてLSI社製MegaRAID SAS 12Gシリーズ RAIDカードの情報確認や設定を行う方法をご案内いたします。
MegaRAID Configuration Utilityの開始方法
PCを起動後、”Copyright© LSI Corporation Press for Ctrl-R“あるいは”Press <Ctrl> <R> to run MegaRAID Configuration Utility“と表示された際にCtrlキー + Rキーを押すとMegaRAID Configuration Utilityを開始できます。
開始したMegaRAID Configuration Utilityは、Escキーを押すことで終了することができます。
MegaRAID Configuration Utilityメニューについて
MegaRAID Configuration Utilityのメニュー画面には、下記5つのタブが存在します。
「VD Mgmt」
「PD Mgmt」
「Ctrl Mgmt」
「Properties」
「Foreign View」
VD Mgmt
MegaRAID Configuration Utilityを開始した際に最初に表示される画面です。
コントローラ上の構成、ドライブグループ、ロジカルドライブを確認することができます。
PD Mgmt
コントローラに接続された物理ドライブの情報および、エンクロージャ、エンクロージャ内の物理ドライブ数、バックプレーンに接続されたドライブの情報を確認することができます。
Ctrl Mgmt
選択されているコントローラの設定を変更することができます。
※「Ctrl Mgmt」のメニューは2画面で構成されています。メニュー内の<Next>および<Prev>の項目を選択することで画面間を移動することができます
Properties
現在のコントローラのプロパティを確認することができます。
※「Ctrl Mgmt」のメニューは2画面で構成されています。メニュー内の<Next>および<Prev>の項目を選択することで画面間を移動することができます
Foreign View
構成されている物理ドライブが取り外し・再挿入されたり、別個体のコントローラへ移動された場合には、コントローラはこれらのドライブに存在するRAID構成を読み取り、Foreign Configuration (外部構成)であると判断します。
「Foreign View」タブでは、Foreign Configurationの情報を確認することができます。
「Foreign View」タブは、コントローラがForeign Configurationを検出した場合にのみ表示されます。
RAIDレベルについて
LSI社製MegaRAID SAS 12Gシリーズ RAIDカードはRAIDレベル0/1/5/6/10/50/60に対応しております。
RAIDレベル0(ストライピング)
複数台の物理ドライブに分散してデータを保存します。
高速ですが、いずれかの物理ドライブが故障した場合は全てのデータが復旧不可能になります。
RAIDの構成には1台以上の物理ドライブが必要です。
RAIDレベル1(ミラーリング)
2台の物理ドライブに同じデータを保存します。
いずれか片方の物理ドライブが故障しても、データは一切失われません。
RAIDの構成には2台の物理ドライブが必要です。
RAIDレベル5(分散パリティ)
複数台の物理ドライブに分散してデータを保存し、生成したパリティデータも併せて保存します。
いずれかの物理ドライブが故障しても、パリティデータからデータを復元することができます。
RAIDの構成には3台以上の物理ドライブが必要です。
RAIDレベル6(複数分散パリティ)
複数台の物理ドライブに分散してデータを保存し、生成したパリティデータも併せて2重に保存します。
いずれか2台の物理ドライブが故障しても、パリティデータからデータを復元することができます。
RAIDの構成には3台以上の物理ドライブが必要です。
RAIDレベル10(ミラーリング+ストライピング)
RAID1とRAID0を組み合わせたものです。
同じデータを保存する2台の物理ドライブを1 Spanとし、複数のSpanに分散してデータを保存します。
RAIDの構成には1 Spanあたり2台、合計で「2×Span数」台の物理ドライブが必要です。
RAIDレベル50(分散パリティ+ストライピング)
RAID5とRAID0を組み合わせたものです。
データを分散して保存し、生成したパリティデータも併せて保存する複数台の物理ドライブを1 Spanとし、複数のSpanに分散してデータを保存します。
RAIDの構成には1 Spanあたり3台以上、合計で「3台以上×Span数」台の物理ドライブが必要です。
RAIDレベル60(複数分散パリティ+ストライピング)
RAID6とRAID0を組み合わせたものです。
データを分散して保存し、生成したパリティデータも2重に保存する複数台の物理ドライブを1 Spanとし、複数のSpanに分散してデータを保存します。
RAIDの構成には1 Spanあたり3台以上、合計で「3台以上×Span数」台の物理ドライブが必要です。
RAIDの構成方法
(1)MegaRAID Configuration Utility内の「VD Mgmt」タブを開き、RAIDカードを選択します。
(2)F2キーを押し、表示されたメニュー上の「Create Virtual Device」を選択します。
(3)「RAID Level:」の項目で構成したいRAIDのレベルを選択したのち、方向キーまたはTabキーで物理ドライブのリストに移り、使用したい物理ドライブを選択します。
(4)構成したいRAIDのレベルが10/50/60の場合は、「PD Per Span:」の項目に1 Span を構成する物理ドライブの数を入力します。
※構成したいRAIDのレベルが0/1/5/6の場合は「PD Per Span:」の項目を設定する必要はございません。
(5)「Size:」の項目にご希望の論理ドライブ容量を入力します。
(6)「OK」の項目を選択すると、初期化の確認ダイアログが表示されますので、「OK」の項目を選択して物理ドライブの初期化と論理ドライブの作成を行います。
RAIDを構成する物理ドライブの交換方法
(1)「PD Mgmt」タブより交換したい物理ドライブを選択し、「Locate」の項目を選択します。
(2)ダイアログが表示されますので、「Start」を選択することで該当の物理ドライブのLEDが点滅します。
(3)該当の物理ドライブの位置が確認出来たら、「Stop」を選択してLEDの点滅を停止します。
(4)交換したい物理ドライブを取り外し、新しい物理ドライブを接続します。
※交換したい物理ドライブが故障していない場合は、下記「コントローラに接続された物理ドライブの取り外し方法」の項目を参照し、該当の物理ドライブを節電モードにしてください。
(5)通常であれば自動的にリビルドが開始されますが、自動的に開始されない場合は「PD Mgmt」タブより交換した物理ドライブを選択し、F2キーを押して「Rebuild」の項目を選択してください。
コントローラに接続された物理ドライブの取り外し方法
この項目では、コントローラに接続された故障していない物理ドライブを取り外す方法をご案内いたします。
(1)MegaRAID Configuration Utility内の「PG Mgmt」タブを開き、取り外したい物理ドライブを選択します。
(2)F2キーを押し、表示されたメニュー上の「Prepare for Removal」を選択します。これにより、選択した物理ドライブがスピンダウンし、節電モードになります。
※(2)の手順の後に取り外しをやめたくなった場合は、「Undo Removal」を選択することで節電モードを解除できます。